ある日のFilm。
写真を始めたきっかけは、もう覚えていない。

覚えているのは、写真が趣味になり出した頃、
「子どもが生まれる前から、写真をやっておけば良かった」
「妻と旅行に行ったあの時、写真をやっていればよかった」
そんなことばかり考えていたことです。
今を生きる私たちにとって、写真はとても身近な存在になりました。
スマホでも綺麗に撮れるし、いつでも持ち歩くことができる。
わざわざ重たいカメラを持って出かけて、
「今日は特別だから」と構える必要もない。
私が写真を始めた頃は、今ほどスマホで写真を撮ることが当たり前ではなく、カメラを持って写真を撮ることが、今より少しだけ特別なことだったように思います。
父が学生の頃に買ったフィルムカメラにフィルムを詰めて、
ピントが来ないデジカメで試行錯誤して。
そんなことを繰り返しながら、少しずつ写真を撮ることが好きになっていきました。
上手く撮れない事も楽しかった思い出です。

そして、写真とは何かな?と考えるようになったとき、
「綺麗に写すこと」
だけが写真ではないんじゃないかと思うようになりました。
「写真を残したいと思った、その瞬間。」
その場所で過ごした時間や、
一緒にいた人との会話、
その日の空気や、何気ない出来事。
そうした「写真を残したいと感じた、その時の体験」そのものが、写真になるのではないかと思っています。
少し偏った考え方かもしれません。
それでも、そんな私が写真屋を開こうと思っています。
写真を撮ることだけが目的ではなく、
その日一日を楽しんで、素敵な思い出として持ち帰っていただく。
そして後になって写真を見返したときに、
「あの日、写真を撮っておいてよかった」
そう思っていただける。
そんな一日と、そんな写真を残せる写真屋でありたいと思っています。